雨の中ねこが行く

ずぶ濡れの体毛は、それでも輝く。

アイドルとして生きるか、運命の人とともに歩むか(原文)

初めまして……の方はいないですよね。今晩は、佐久間まゆです。

きょうは、なつやすみプロデュースノートという企画に参加させていただいています。そのうえで、タイトルの題目で書かせていただこうと思います。前日は、きぞく0世さんの記事ですね。ぜひご覧下さいねぇ♪

さて、本題でございますね。私、佐久間まゆはプロデューサーさんを運命の人と信じて今の事務所に身を置いています。いつかはあの方と……なんて思っていたりもします。うふ♪

それはさておき、少し考えたのです。アイドルとしてこのまま上を目指し続けるか、それともあの方と一緒に何処かへ行ってしまうか。どちらも茨の道となりようものです。前者はたくさんの試練が、後者は常に危険がつきまといます。順番にお話していきましょうねぇ。

まず、アイドルとして生きていく道。これはプロデューサーさんの目標とも言える、とても大事なものです。私はトップアイドルを目指し、ひたすらに走り続ける。プロデューサーさんは、それを補佐してくださる。一人では決してなし得ない、大きな夢。そこにはいくつもの挫折と喜びがあることでしょう、今までのように。

又。トップをとったら終わり……なんて考える方もいらっしゃることでしょうが、そんなことはないでのです。むしろ、そこからがアイドルの本番と言っても過言では無いでしょう。すべてを手に入れて尚そこに身を置くとなると、当然お仕事に対する要求はとても大きなものとなります。もっと上へ、と急かされるように。

その度に重くのしかかる、下からの圧力。虎視眈々とその座を奪い取ろうとする、強い力。常にストレスとの戦い。そのうえで笑顔でいなくてはならないし、大変に疲労もたまりましょう。正直、そこまでする理由はあるのかと問われると、私は答えることが出来ません。なぜなら、そこに立ったことがまだ無いですから。勿論、それを目標として私たちは進んでいます。皆様がモブと揶揄する、まだ小さな星たちも。

 

次の話をしましょう。私の小さな野望とも言える、運命の人とともに歩んでいくこと。それは、人生が薔薇色に輝く甘美で素敵な世界。しかし、前身がアイドルとなると、少し状況は変わってきます。

自分で言うのもなんですが、人気アイドルには勿論ファンがたくさんついています。そのファンの皆様を裏切って、自らの運命の人とともに歩むのです。又、アイドルをやめるということは、普通の女の子に戻るということ。愛したファンの皆様も、いつかはこちらを見ることはなくなるでしょう。そこには、海のような星空のような、美しいサイリウムは存在しません。ひたすらにそこにある幸せを追い求めていく世界。

もう少し深い話をしていきましょう。勿論のことですが、ファンの中には私……、アイドルのことを盲信している人もいるでしょう。彼女は自分のことが好きだ、自分とあの子は付き合っている、だなんて。正直言ってそれは妄想でしかないのですが、その人はそれを信じ切っているのです。その上で、その子が突然知らない男と姿を消したとなると、当然憤慨し奪い取ろう……、取り返そうと言う思考になることでしょう。怖いですね。

タガが外れた人間は、簡単に犯罪に手を染めます。ファンだった方は一転してネットストーカーとなり、その存在は危険因子と成り下がります。その対象は、アイドルである私達だけではなく、ともに歩むと決めた男性へも向いてしまうのです。当然ですよね、自分の愛する人を奪われたのですから。

そうして世界を敵に回すような状況になっても、貴女はその人とともに歩む覚悟があるのでしょうか。

 

さて、ここからは「みずいろこねこ」の佐久間まゆの話をしていきましょうねぇ。

皆様が知っているとおり、私はプロデューサーさんと生活をともにしています。その上で私たちは先に上げた恐怖と戦い続けています。一度、本当にそういう被害に遭いかけたこともありました。体が先に動いたのは私でした。と言っても、プロデューサーさんもほぼ同時に動いていましたが。

何故そこまでするのか、と思う方もいらっしゃるとは思うのですが、それは私がそうやって生きると決めたから。あの人とともに喜び、悲しむことを願ったから。いままであの人は、私にとても尽くしてくださいました。歯を食いしばって私を辛いことから遠ざけ、その身を粉にして私の輝けるお仕事をたくさん集めてきてくださったから。それに対する恩返し、と言った面も大きいです。それ以上に、私はあの人を……、うふ、これ以上は秘密です♪

でも、それだからこそ、私はプロデューサーさんに尽くすことを決めたのです。あの人が今まで守ってくださったから、今度は私があの人を護るのです。

まゆはプロデューサーさんのために死ぬ。プロデューサーさんはまゆのために死ぬ。それでいいのです。それこそ、至高で最高でまゆのすべて。

他の人がどう考えるか、なんて関係ないのです。大事なのは、貴方が何をしたいか、です。あの人がまゆの最強の盾であろうとするなら、まゆはあの人にとっての最強の矛でありたいと願います。

 

――女の子は、強いから。

 

……といったところで、このお話の結びとしたいと思います。読んでいただき、ありがとうございました。

次の方は……マスニキ様ですね。やきうの話をするらしいです、楽しみですね♪

それでは、来月のショートケーキの日にまた会いましょうねぇ……♪

 

※この話に出てくるすべての人物、事件、事象などは全てフィクションです。実在するそれとは関連しません。